Eコマースの最新動向
ビックカメラやロコンドなど大手事業者が新たな取り組み
販路拡大や返品・接客の重視など2つの方向性で拡大へ
東日本震災はEコマースにも大きな影響を及ぼしました。物流拠点の破損や物流のストップにより、震災後は売り上げが落ち込んだ。ここでは、最近のEコマースの動向とともに、震災によって明らかになった課題と価値を消費者向けEコマース中心に解説する。
消費者向けEコマース市場は稀有な成長市場
2008年秋の金融サブプライム問題などに端を発した世界的な景気後退はEコマース市場にも波及し、経済産業省の推計によると2009年の紫綬規模は企業間(BtoB)が対前年比17.5%減の131兆106億円と、経済情勢を反映した形で2年連続の落ち込みを見せた。一方、消費者向け(BtoC)は同10.0%増の6兆6960億円となり、前年の13.9%増より低下したものの2ケタ成長を維持している。消費者向けEコマース市場は、、既に百貨店(6兆2921億円)より大きな規模となっており、コンビニエンスストア(8兆175億円)を超える可能性も出てきた。百貨店などの売り上げが厳減少する中、希少な成長市場であり、この市場を取り込もうと事業者間の競争は激しくなっている。
楽天・アマゾンは物流インフラ強化でシェア拡大
消費者向けEコマース市場では「楽天」と「アマゾン」がシェアを拡大している。富士通総研の「インターネットショッピング2010」によると、直近1回に利用したPCネットショッピングの店舗分類は、「楽天(出店ショップと直営の合計)」が42.2%でトップとなった。2番目に多いのが「amazon」の14.1%で、この二つを合わせたシェアは56.3%と半数を超えている。楽天・アマゾンともに2009年に行われた前回の調査よりシェアを伸ばしており、数値上は市場の拡大を上回る勢いで成長している。
アマゾンは、全国に大規模な物流センターを拡大して物流サービスに力を入れ、日本での創業10周年を迎えた2010年11月から送料無料化に踏み切った。小額の文庫本1冊でも無料配送してくれるため利用件数が増え、2010年の売り上げ伸び率は例年を上回ったという。楽天も自社物流網を構築して配送レベルを上げアマゾンに対抗しようとしており、これら2強は効率的な物流インフラを武器に顧客の支持を勝ち取っている。
大手Eコマース事業者の2つの方向性
楽天やamazonの市場支配が広がるなかで、大手Eコマース事業者戦略として2つの方向性が見えてきた。
まず、今まで独自にショップを運用してきた事業者が楽天にも出店する動きが出てきた。会員数百数十万人を持つ国内有数規模の自社サイトを持つビックカメラが、5月に「ビックカメラ楽天市場店」をオープンした。自社サイトと集客力を持つ楽天のショップを組み合わせることで、通販事業を約4割増の五百億円程度にすることを狙っている。アパレルの「UNITED-ARROWS」は自社サイトを始め、「ZOZOTOWN」や「stylife」などファッション専門サイトを中心に展開していたが、2010年9月にアマゾンに出店した。ファッションECサイトから総合的な商品を扱うアマゾンに販路を広げる事で、幅広いユーザーの取りこみを見込んでいる。Eコマースにおいても、自店舗の専門店がショッピングセンターやテナントビルを選別して出店するように、集客力のあるモールを選んで複数出店することが増えそうだ。
2つ目の動きは返品や接客サービスの重視だ。ZOZOTOWNは2011年4月から返品の受付を開始した。利用者アンケートを実施したところ、「返品が出来ないので購入を断念した」人が6割にも達したためだ。ファッションではサイズが気になってEコマースを利用しない人がいるので、返品の受付開始は新たな顧客の獲得に繋がるだろう。靴の販売サイト「ロコンド」は、サイト上にフリーダイヤルを表示し、コンシェルジュが年中無休で朝8時から夜10時まで問合せに対応し、顧客サービスに力を入れている。サイトの写真などでは分からないことを気軽に問い合わせられるようにし、安心して注文してもらう事を狙っている。
震災による売り上げの落ち込みは一時的
震災により被災地域の事業者の業務は停止し、東北エリアの配送もストップした。千葉県にある楽天やアマゾンなどの配送センターは、壁が破損したり、倉庫内の商品が落下したりする被害が出た。加えて、計画停電の影響で、商品の入荷や配送が遅滞するという想定外の自体も発生した。また、Eコマースでも小売店と同様に、食料品や生活必需品の注文が殺到した。商品があれば売り上げを伸ばすチャンスであったが、実店舗同様に商品の補充が出来なかったため、品切れが起こった。ネット上のサイトが動いていても、バックの物流が機能していなければビジネスは出来ない。こうした事態への対策検討が課題として浮き彫りになった。さらに、自粛モードが追い打ちをかけ、震災以降3月中は売り上げが落ち込んだ。
ただ、4月に入りEコマースは十店舗とは異なる動きを見せている。ヤフーはファッション関連の売り上げが震災後の10日間で前年比4割減まで落ち込んだが、3月下旬には客足が戻り始め、4月上旬には前年比1割増に回復した。家電の4月上旬の店舗販売実績はは前年同期比マイナスにもかかわらず、Eコマースはプラスを記録するなど、外出しなくても注文できるEコマースのメリットが改めて評価され利用が増えてるようだ。
最後に震災におけるEコマース事業者の貢献活動にも触れておく。アマゾンは「ほしい物リスト」をつかって、避難所の人たちが望む物資をユーザーがギフトとして購入し、避難所に寄贈するサービスを実施した。必要数が寄贈されるとリストから消える形となっており、Eコマースサイトの機能をうまく震災支援に使ったケースだ。
今日の一言~
ネットショッピングサイトも常にユーザー目線でサイトを更新していかないと、売り上げに結び付かない時代になっていますね。
また今後は配送であったり、ネット以外の部分の強化をいかにして進めていくのかで、変わっていきそうですね。
今後の動向が楽しみですね!
出所元
「インターネット白書2011」(c)impress R&D, 2012
作成者 八窪










