インターネットにおける雑誌的メディアの現在と未来
ビジネスの機能が分散していくなか、求められるプロデューサーの役割
かつて出版という装置産業の上に成り立っていた雑誌ビジネスのほとんどは、テクノロジーの普及によってその力を限定的にしか発揮できなくなった。ウィキペディアによれば、雑誌とは「週刊、月刊、季刊、年間などのように定期的に刊行され」「一定の編集者と読者を持つ」という特徴があるとされる。また「速報性の点で新聞ほどではないが、図書より優位」とみなされることがあるが、ウェブ上には1日に何十本という記事を掲載し、速報性で日刊の新聞をはるかに凌ぐ媒体が数多くある。
またウェブなら、熱意さへあれば誰でも今夜からでも自分の媒体を世に送り出せる。紙の雑誌の換金化はモデルは主に「販売」と「広告」であったが、ネットメディアにはこれに加えて「コマース」や「アフィリエイト」ほか、様々なビジネスの可能性が見えてきている。
編集者なしのアグリゲート&レコメンドモデル
アンパッケージ型の電子雑誌において注目すべき流れの一つに「人間が介在しない情報のアグリゲーション」(集積)がある。いわば、編集者のいない雑誌である。代表的なものとしていIT系の米国ニュースサイト、Tech-memeが挙げられる。ここではbotと呼ばれるプログラムが情報の収集を行う。記事だけではなく、それについて他のブログやソーシャルメディア等で交わされたディスカッションも集められ、あたかも優秀な人間の重要度をはんだんしているかのように、非常に洗練されたトピックの集積が実現している。
さらに、この進化形として単に収集するだけではなく、「お勧め機能」を組み合わせたものが登場し始めている。その好例が同じく米国のStyleFeederである。一見、単なる価格比較サイトのように見えるが、ある商品を選ぶと「あなたはほかにこうゆうものもお好きなのでは?」と別の商品や他のジャンルのファッショングッズをレコメンドしてくれる。このサイトを利用すればするほど、その精度は高くなっていき、最終的には自分の趣味趣向に本当にあったものを勧めてくれるようになるらしい。ここで行われていることは、かつて編集者が誌面で読者に商品を勧めていた世界と、一見何も変わらない。それどころか精度の高いアルゴリズムやデータベースによって紙の雑誌以上に読者にとって最適な結果をもたらしてくれる可能性も出てくるであろう。
出所元
「インターネット白書2010」(c)impress R&D, 2010
作成者 八窪










